日本企業の決定の遅さ

僕は日本企業に対してあまり良いイメージを持っていない。日本で大学を卒業した後に就職して嫌な思いをしたのもあるし、アメリカで就職した最初の会社も日系だったから、というわけではないが、日本の企業が持っている特長というのが僕の理想とかとは少し違う、と思うから。

その大きな特長の1つが「決断の遅さ」・・・イコール「行動の遅さ」になるだろう。先日、コラムを見ていたら下記を見つけた。

「かつてNTTは米ヤフーと組み、日本にポータルサイトサービスを持ち込む計画を立てたが、ポータルにNTTブランドを使うかどうかといった社内の議論に時間をとられ、ソフトバンクにヤフーとの提携をさらわれた苦い経験がある。」
http://www.nikkei.com/news/article/g=96958A9C93819499E3EAE2E0E18DE3EAE2E7E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;df=4

「寄り合い所帯特有の意思決定の遅さから、リストラが不十分」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120522-00000120-mai-bus_all

何をするにも「時間をかけて議論しよう」という姿勢。みんなで時間をかけて決めれば、誰にも責任を問えない、みたいな考え方。この急速に変化するビジネスシーンで何週間も時間をかけていたら、取り残されるのは当たり前だし、決断が遅ければ、小さな赤字もより大きくなっていく。

ある企業では出張に行くのに、課長、部長、本部長の承認(はんこ)が必要とか聞く。以前、僕の今の会社で働いていた日本人の営業マンが、日系で働いていたときに、「お客さんが『今すぐ契約しよう』と言ってくれたのに、上司に確認を取っていたら、返事が遅くて他社にそのお客を取られた」という話も聞いたことがある。

日本の会社は誰も責任を取ろうとしない・・・その風習が、「みんなで決めよう」となり、決定にかなりの時間を要する、こととなる。今後も同じようなことを繰り返していれば、今でも日本経済の状況は良くないのにもっと悪い方向に行くような気がする。「決定の早さ」の重要性をもっと知るべきだと思う。