9月3日(木) 残業について考える

僕が会社の行き帰りの車の中で、日本のラジオのポットキャスト(音声ファイル)を聴いていることは以前にもここで書いていると思う。

今とっても気に入っているのがTBSラジオで月~金の午後1時から3時半までやっている「たまむすび」という番組。元アナウンサーの赤江珠緒さんと日替わりのパートナー(カンニング竹山、山里亮太、博多大吉、ピエール滝、玉袋筋太郎)がパーソナリティーで、各曜日色々なコーナーで盛り上がる。

たまにゲストも来て、インタビューしたりしていてそれも面白い。今回はアメリカ人のお笑い芸人「厚切りジェイソン」がゲスト出演したときのことについてちょっと書いてみようと思う。

厚切りジェイソン氏は、お笑い芸人の他に、ベンチャー企業の役員もやっている優れ者。飛び級で17歳の時にはもう大学に入っていたんだとか。でも勉強が好きか、というとそうでもなく、短時間で効率よく勉強していたらいつの間にか高校2年生で大学入学していたんだとか。またスポーツも万能で、アメフトの選手だったらしいが、飛び級のせいで規定年齢に達してなかったのでかなり有望だったのに選手になれなかったらしい。

さてこのジェイソンさんが言っていたのが、日本の会社の残業のこと。「時間内に仕事が終わらなくて、残業しなきゃいけない人に何故残業代を払うんだ」と。また「日本人はあまり休まない」ことにも言及していた。

日本に帰国したときに友達とかと話をしていて、ちょっと思ったのが、日本の人たちか下記の方程式が成り立つと思っているのかな、ということ。

残業をしている=仕事をしている=仕事ができる=会社に必要とされている・・・

だから残業しないで家に帰ると、「他の同僚は残業して上司に良く見られているんじゃないか」と心配になったり、家族は「ウチの人はこんなに早く帰ってきて、会社から必要とされていないんじゃ・・・」と心配したり。だから忙しくなくても無理やり仕事を作って残業したり、あまり必要じゃなさそうな会議の資料を作ってみたり・・・。

日本の会社と社員の関係も、そんな状況を助長させているように思う。アメリカだと、経済状況が良ければ、転職すれば給料は上がる。もしリストラされて職探しをしている場合はまぁ難しいか。でも、社員が「この会社は物足りない」と思えばいつでも転職するし、逆に会社が「この社員はちょっと」と思えばリストラすることも簡単だ。労働市場で人の動きが活発だから、社員は辞めさせられないように頑張るし、会社も引き止めるために給料を上げたり、福利厚生を良くしたり色々と頑張る。

日本は転職してもほとんど給料は下がるし、転職に悪いイメージがあるし、会社の方が権力を持っているように思う。でも日本の法律で簡単にリストラできないから、経営状況が悪くなるとなかなかそこから脱出できない、という悪循環。僕はシリコンバレーで15年も働いているので、日本の労働環境で働くのはもう無理かな~と思っている。

ふと想像してみたこと。
どこかの家庭でこんな状況がありそうな気がするけど、そういう日がなくなることをとりあえず願いたい。

夫「今度、新人が部署に入ってきた。」
嫁「じゃぁその新人君が早く仕事に慣れて、貴方の残業が減って早く帰ってこれるといいね」
夫「!?残業で遅く帰ってきちゃいけないかっ!仕方ないだろ!仕事が忙しいんだから!」