「大人はなぜ働くの?」

昔、独身の時はこのブログでよくコラムを書いていたけど、ここ数年はほとんど子育てブログ。でも今回ちょっとコラムっぽいものを書いてみたいと思う。

最近、子供たちと買い物に行くと決まって「何か買って」と言われる。おやつの買え置きがなかったり、安売りをしていれば買うけど、そうでないと「買う」「買わない」でケンカになる。子供はお金が無限にある、と思っているようだが、安月給の身としては、何をどうやって説明すればいいか難しい。

以前、祝日で学校は休みだけど会社は平常営業という日に「じゃぁ会社に行ってきます」と言うと「パパと一緒に遊びたい」と言われた。「でも会社に行かないと」と言うと「何で会社に行くの?」と言われ、その時は「パパが働くと会社がお金をくれて、そうするとおやつとかご飯が買えるでしょ」と説明した。

が、それでいいのか?

と疑問が沸き、子供にどうやって説明すればいいか、を調べてみたら日経の記事でおもしろいものが見つかった。このサイトは日経の会員登録をしないと見れないので、簡単に引用したいと思う。

人口わずか2000人の町で2人に1人は65歳以上の老人。今まで十分働いてきて生活するにはなんとかなる年金をもらい、毎日暇を持て余し昼間から酒を飲んでは愚痴や他人の悪口ばかり言っていた。

数年後に若者が持ち込んだビジネスを始めたことで、愚痴や悪口をいう暇もなく働き、生き生きとした余生を過ごすことになった。そのビジネスとは「葉っぱビジネス」。懐石料理で使う「つまもの」を育てて売るのが基本的なビジネス。

でも単に葉っぱを栽培して出荷しているだけではない。老人たちはアイパッドなどのタブレットを操作し、現在どの種類の葉っぱがどれだけ必要かを確認しながら効率よく出荷している。

話を持ち掛けられた当初は「葉っぱなんて売れるわけがない」「馬鹿にしてるのか!」とビジネスを持ち掛けた若者を非難したという。でもこの若者、自腹で2年間、懐石料理店に通い、どのような料理が出され、どのような葉っぱが必要なのかを研究した。ちなみにこの若者とは、横石知二さん(葉っぱビジネスの会社、株式会社いろどり社長)という。

さてこの記事では、お金が儲かった!ということがいいたいわけではない。老人たちが本当に手に入れたもの。それが「生きがい」ということだ。生きがいは老人たちを笑顔にして、そして健康にした。年金生活者たちが稼いで税金を納め、元気になったので、介護保険の適用も減ってきているらしい。また、老人ホームも定員割れが続いて閉鎖されたんだとか。

人はなぜ働くのか?いや、人はなぜ生きるのか?それはここでいう「生きがい」のために働き、そして生きるんだと思う。

高校の時に一緒に予備校に通っていた友達、鉄道が好きだった。現役で工学部機械工学科に行った。その後は音信不通になったが、インターネットで彼の名前を検索したら、鉄道車両を製造する会社で論文を書いていた。

自分が「こういうことをしているときが楽しい、幸せ」と思ったり、お客様のために働いて「どうもありがとう」と言ってもらえることに喜びを感じることができる。人それぞれ感じ方は違うし、「生きがい」も違う。

別にお金を稼がなくてもいい。専業主婦の人などは、子供と一緒にいるときが幸せ、旦那様が安心して帰宅できるように家事や洗濯、その他いろいろ家庭のことをしているのが幸せ、という人は、それがその人にとっての「生きがい」になるだろう。

仕事を「生きるため」「お金を稼ぐため」だけにやっていたら多分、続かないだろうし、ストレスが溜まるだけで全く「幸せ」にはならないだろう。もし今、そんな状況だったとして、毎日「つまんないな」と思いながら日々を過ごすのか?それとも、そんな状況の中でも「どうしたら効率よくできるだろうか?」「どうすればもっといいものができるだろうか?」とか向上心を持って過ごすのか?すべては自分の心の持ち方次第。「どうせダメだ」と思えばダメだし、「とにかくやってみよう」と思ってやってみれば、もしかしたらうまくいくかもしれない。

先日、TBSラジオ・JUNK・山里亮太「不毛な議論」1月20日のポットキャストを聞いていたら、とても素敵なお話があった。悩み相談を山里さんにする、というコーナーで・・・。

仕事をサボる先輩に困っている、という相談に対して、
「仕事をサボっている人のことを愚痴っている時間は無駄だよ」
「仕事をサボっている人生なんてつまらない。」
「一生懸命仕事をしている方が人生は何十倍も楽しい」

本当にそうだな、と思った。サボることばかり考えている人の人生が楽しい訳がない。それが楽しいと思うなら、その人の5年後、10年後はそのツケが回ってきてもっと大変になっていると思う。

だから子供にはこう教えようかな、と思う。
「大きくなって仕事をするようになると大変なこともあるけど、楽しい事もたくさんあるよ。」
「一生懸命仕事をして、『ありがとう』って言ってもらえると、とても嬉しいんだよ。」

多分、子供達にはそれが、いつか、わかってもらえると思う。何故なら僕が仕事をしていていつもそう思うから。

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